【マーケティング×AI活用】経営者が知るべき「釣り道具より釣り方」の発想~AI活用が広がる今、なぜ成果を出す企業と出せない企業に差が生まれるのか~【第6回】

目次

AI時代こそ「感情キャッチ型マーケティング」が必要になる

前章では、サントリー時代の経験を通じて、長く愛されるブランドは技術や機能だけでは生まれず、人間理解から生まれることをお話ししました。

そして、AI時代を迎えた今、私はますますその思いを強くしています。

AIは膨大な情報を処理し、効率化を進める素晴らしい技術です。

しかし、人の心を動かすのは、最後は人間です。

だからこそ、これからの時代に必要なのは、論理だけで相手を動かそうとする「論理プッシュ型マーケティング」ではなく、人の感情や本音を理解する「感情キャッチ型マーケティング」だと考えています。

論理プッシュ型から感情キャッチ型へ

従来のマーケティングでは、

「商品の機能が優れている」

「他社より価格が安い」

「品質が高い」

といった論理的な価値を前面に出すことが多くありました。

もちろん、それらは大切です。

しかし、私は42年間のサントリー人生を通じて、人は必ずしも論理だけで動くわけではないことを学びました。

人が商品やブランドを好きになる理由は、

「なんとなく好き」

「共感できる」

「自分らしい」

という感情の部分にあることが少なくありません。

だから私は、

「売り込む」のではなく、

「相手の感情や本音をつかむ」

ことを出発点にする考え方を、「感情キャッチ型マーケティング」と呼んでいます。

顧客がまだ言葉にしていない思い。

本人さえ気づいていない隠れた本音。

そのインサイトを見つけることこそ、マーケティングの出発点なのです。

AI時代に人間らしい価値が高まる理由

AIの進化によって、多くの仕事が効率化されるようになりました。

情報収集や分析、資料作成などは、AIが得意とする領域です。

しかし、だからこそ私は、人間らしい価値はますます高まると考えています。

なぜなら、AIは「過去」を学習することは得意ですが、

「まだ存在しない未来」

を生み出すことは、人間ほど得意ではないからです。

ひらめき。

違和感。

共感。

感動。

夢。

こうしたものは、人間の感情から生まれます。

私はサントリー美術館で7年間勤務し、300以上の展覧会に触れる中で、アート思考の重要性を学びました。

新しい価値は、論理だけでは生まれません。

右脳と左脳を往復しながら、

「自分はどう感じるのか」

「お客様は本当は何を求めているのか」

を考え続けることから、ひらめきは生まれます。

AI時代だからこそ、人間の感情や創造性が競争優位になる。

私はそう考えています。

マーケティングこそ経営の核心である

私は長年、

「マーケティングこそ経営の核心である」

という考えを持ち続けてきました。

なぜなら、マーケティングとは単なる販売技術ではなく、

「人を理解し、人を幸せにする仕組み」

だからです。

商品を作ることも。

組織を育てることも。

新しい事業を生み出すことも。

すべては「人」を起点に始まります。

だからこそ、経営者にとって最も重要なのは、人の感情や本音を理解する力なのです。

AIは非常に優秀な釣り道具です。

しかし、どんな魚を釣るのか。

どこで釣るのか。

そして、なぜその魚を釣るのか。

それを決めるのは人間です。

私は、AI時代だからこそ、

「ひらめき力」と「感情キャッチ力」を持つ人や企業が、新しい価値を生み出していくと信じています。

そして、その積み重ねこそが、企業の未来をつくるのではないでしょうか。

次の章では、本記事のまとめとして、AI時代に本当に差を生むものは何かについて、改めて整理してみたいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

サントリーで42年間、C.C .レモン・サントリー天然水など
35ブランドのマーケティングを担当。
現在はインプレスビジョン株式会社代表として、
感情キャッチ型マーケティング~独自のインサイト調査・アート思考~で
次世代経営者の事業成長を支援しています。

コメント

コメントする

目次